こんにちは、ハヤマです。
今回は、現在公開されているPhotoshop Beta版で
画像生成AI(Adobe Firefly)機能を使った画像の「生成塗りつぶし(※)」を試してみたいと思います。
※「ジェネレーティブ塗りつぶし」は、「生成塗りつぶし」に名称が変更となりました。
「生成塗りつぶし」とは
Adobeのヘルプページでは、以下のように紹介されています。
あなたの生まれ持った創造力に基づき、シンプルなテキストプロンプトを使用して、非破壊的に画像のコンテンツを追加、拡張、削除できる、AI の技術を利用している革新的で魔法のような機能の新しいスイートです。
短い文の中に単語が盛り沢山で一瞬難しく感じますが、選択した画像の一部を塗りつぶして、オブジェクトの生成や削除、拡張といった合成をAIが行ってくれるという未来的な機能です。
できること
「生成塗りつぶし」でできることを紹介します。
例として、こちらの画像をベースに試していきます。
※注意点ですが、「生成塗りつぶし」はクラウド処理が必要となります。
作業を開始する前にインターネットに接続していることを確認してください。
① オブジェクトを生成
海辺の犬が少し寂しい印象なので、仲間を増やしたいと思います。
まず、生成したい部分を選択範囲で囲います。
続いて、コンテキストタスクバーから[生成塗りつぶし]をクリックします。
コンテキストタスクバーに「テキスト入力プロンプトボックス」が表示されるので、画像内に生成するオブジェクトの名前を入力します(現時点では英語のみ対応)。
ちなみに「テキストプロンプト」という言葉に耳馴染みがなかったのですが、“レンダリングする画像の種類をAIに伝えるための単語リスト”というようなことらしいです。入力内容は、名詞や形容詞を使用するのが良いとのこと。
入力したら[生成]をクリックします。
テキストプロンプトは空欄のままでも生成できます(空欄の場合、写真の内容に合わせたシーンやオブジェクトが自動で生成されるようです)。
今回は仲間を増やしたいので、「dog」と入力します。
すると・・・
ワンクリックで、とても自然に犬が1匹増えました!!(ちょっとダジャレっぽいですね)
違和感なく、影もついていい感じです。
しかも1度の生成で、3パターンの犬のバリエーションを生成してくれています。
このバリエーションは、さらに[生成]ボタンをクリックすることで増やせます。
生成の具合によってはシルエットが雑に感じますが、足元の水の反射を見てください。すごくリアルで驚きです。
② 背景を生成
次は、「曇天の海辺」という背景をチェンジしてみたいと思います。
被写体の背景を選択し(選択範囲メニューの「被写体を選択」から被写体を選択し、反転させる)、[生成塗りつぶし]をクリックします。
テキストプロンプトには「Tennis court」と入力してみました。
流石にこれは、無理矢理感が漂いますね。何度か試した中ではこれが一番マシな結果でした。
背景もちょっと、「テニスコートっぽい何か」という感じです。
(なんか画像上部にアシカっぽいのがいるのが謎です)
現時点では、このあたりの精度は元となる画像が加工しやすいものかどうかで大きく変わりそうです。
ちなみに、「japan」と入力してみた結果が少し面白かったのでこちらも載せておきます。
③ 画像を拡張
今度は画像を拡張して、海辺の背景を広げてみたいと思います。
まず、カンバスサイズを編集し、広げたスペース部分を選択範囲で囲みます。
テキストプロンプト入力欄は空欄のまま、「生成」をクリックします。
背景部分が自動的に生成されました。
単純に引き伸ばした感もなく、綺麗に仕上がりました。
もし仕上がり具合が気になるようであれば、どんどんバリエーションを増やして検討できるのが嬉しいですね。
④ オブジェクトを削除
最後に、被写体である犬を帰宅させたいと思います。
被写体を選択範囲で囲い、生成を行います。
その際、テキストプロンプトは空欄にしてください。
犬が去り、背景のみになりました。
生成された画像の著作権は大丈夫?
一通り試して思ったのは、生成されたイメージの「著作権」について。
2023年6月現在、Adobe FireflyがAIに学習させているコンテンツは全て著作権に配慮がされたもののようです。
以下、Adobe公式サイトより引用
生成AI関連の著作権侵害を防ぐ対策の一環として、初期のFireflyモデルのトレーニングには、Adobe Stockの画像と、オープンライセンスのコンテンツおよび著作権の切れた一般コンテンツが使用されています。
FireflyのBeta版期間中は、Fireflyで生成されたアセットを商業目的で使用することはできませんのでご注意ください。
さいごに
初めてAdobe Fireflyを体験しましたが、すごい機能ですね。
今まで、必要あればPhotoshopのレイヤーを増やして地道に加工していた処理が、レンジでチンするように容易に仕上がってくることに驚きを感じました。
これは正式なサービス提供開始が楽しみです。
興味のある方はぜひ試してみてください。