【Illustrator】フォントインストール時の通常(static)/バリアブル(bariable)の混在に気をつけよう

こんにちは、ハヤマです。
今回は、デザインデータ共有時に起こりうるフォントのトラブルについて、注意点などご紹介します。

文字化けは発生していないのに、ウェイトが変わってしまっている...?

「Illustratorで作成したデザインデータを開いたとき、フォントのウェイトが(JPGなど、書き出した画像で)確認していた見た目と変わってしまっている」。

この記事を読んでくださっている方の中に、こんな経験をされた方はいますでしょうか。
もちろん、環境にないフォントのアラートは出ていない状態でのお話です。

私は過去に1度遭遇したことがあり、ひっそりとウェイトが変わっていることに気づかないまま進行していたら...と思うと、ヒヤッとした記憶があります。

「こんな事象も起こりうるのでお気をつけて…」という思いも込め、書いていきたいと思います!

発生状況

Aさんが作成したデザインデータをBさんが受領し、そのデータをBさんが開いた時に発生。
Aさんの環境では、GoogleフォントRoboto Condensedの【Bold】で指定していた箇所が、データを受領したBさんの環境では【Regular】のウェイトで表示されていました。

データを開いた時点では「環境にないフォント」としてエラーも出ず、ハイライト表示もされない状態。
Bさんは、データ受領前にAさんが作成したカンプで確認したデザインと若干の違和感を感じ、もう一度カンプと比較することでウェイトが変化していることに気づきました。

原因

通常フォント(static:Aさんのフォント環境)とバリアブルフォント(variable:Bさんのフォント環境)とのバッティング

同じフォント名でも、読み込んでいるフォントのデータが異なるため、正しく認識されないことが原因のようです。 今回の事例はRoboto Condensedですが、static/variableの2種類をセットで配布しているフォントで同様のことが発生する可能性があります。

対策

① 連携するチーム・パートナー内で使用フォントの統一化

データを共有するメンバー内で、static/variableのどちらを使用しているか事前に確認した方が安全かと思います(特に初めて一緒にお仕事させていただく方など、共有するとお互いに安心かなと)。

②通常フォントを使用する場合は、バリアブルフォントデータはインストールしない

GoogleFontsでフォントをダウンロードすると、1つのフォルダの中にstatic/variableの2種類がまとめて含まれています。 通常フォントを使用する場合、「font」フォルダに上記のフォルダをそのまま格納すると、正しく読み込まれないのでご注意ください。(今回の記事の事象が発生します)

さいごに

bariableフォントはとても便利ですが、インストールの際はフォルダの中身をきちんと確認して管理しましょう。

Adobe CommunityのIllustratorフォーラムの中でも関連の質問がいくつかありました。使用頻度が高い「Noto Sans JP」フォントでも同様の事象が発生しているようです。

もらったaiデータのNoto Sans JPがすべてThinで表示されてしまいます

NotoSansバリアブルフォントについて

合成フォントにフォントが読み込まれない