こんにちは、コバヤシです。 JetBrainsから新しいAI「Junie」がPhpStormで使えるようになったので試してみました。 今回はその使い勝手やできることを簡単に紹介していきます。
Junieとは?
Junie(ジュニー)は、JetBrainsが開発したAIベースのコーディングエージェントです。 従来のコード補完ツールとは異なり、プロジェクト全体の文脈を理解した上で、コードの生成や修正、実行、テストの提案まで行ってくれるのが特徴です。
初期プレビューは2025年1月31日に一部ユーザー向けに提供され、正式リリースは同年4月16日。 当初はIntelliJ IDEAやPyCharmなどが対応していましたが、2025年5月19日には PhpStormでもJunieが利用できるようになりました。
Junieの主な特徴
Junieには、他のAIツールとは少し違う独自の強みがあります。
- プロジェクト全体を理解してコードを提案・修正できる
 - 補完にとどまらず、実行やテストも含めた自律的な動作が可能
 - 「Codeモード」「Askモード」の2種類の使い方ができる
 - JetBrains製IDEと深く統合されていて文脈理解が高い
 - 無料プランでも使えるが、フル機能は有料プランが必要
 
Junieを導入してみる
まずは、PhpStormでJunieを試せるように導入していきます。
1. プラグインをインストール
Junieはプラグインとしてインストールします。
- Preferences(Settings)→ Plugins → Marketplace に入り、「Junie」で検索してインストール → IDE再起動
 
2. ライセンス確認と有効化
インストール後、JunieはJetBrains AIライセンスの状況を確認します。
- AIライセンスを持っていれば自動で有効化
 - 未契約の場合は無料プラン(AI Free)に切り替え
 
AI FreeプランでもJunieは利用可能です(一部制限あり)。
簡単な操作や動作確認には十分なので、まずは無料で試してみるのもアリだと思います。
料金プランはこちら
3. Junieを起動する
プラグインが有効になったら、IDEの右サイドバーに新しいJunieアイコンが表示されます。
JunieアイコンをクリックするとJunieが起動します。
Junieの使い方
Junieには、2つのモードがあります。
- Codeモード:プロジェクトを解析し、コード編集→テスト→反映まで自律実行するフルエージェントモード
 - Askモード:変更せずに相談できるチャットスタイル。要件定義や設計相談に向いている
 
Codeモード
Codeモードでは、Junieがプロジェクト全体を見渡しながら、コードの変更やテストの実行までを自動で行ってくれます。
今回は、既存の関数に対して「わかりやすくリファクタリングして」と指示してみました。
すると、処理内容を保ったまま、変数名や構造を整理してくれました。変更後のコードも問題なくテストが通り、すぐに反映できる状態になっていたのは驚きです。
さらに、テストコードがなかった場合にはJunieが自動で生成してくれるケースもあり、「あ、これはもう任せていいかも」と思える場面もありました。
ただ、処理完了までの時間は全体的にやや遅めで、待たされる感覚はあります。
Askモード
Askモードは、Junieと自然言語でやりとりしながら、コードの内容や実装方針について「相談」できるモードです。
Codeモードのように実際のコードを書き換えることはなく、設計レベルでの確認やヒントを得たいときに向いています。
試しに「この実装で問題ない?」と聞いてみたところ、処理の意図を読み取ったうえで懸念点や代替案を提案してくれました。
一方的な答えというよりは「こういう方向もあるけど、どう?」と投げかけてくれる感じで、エンジニア同士でペアプロしているような感覚に近いです。
また、Askモードで提示されたコード案は、そのままCodeモードに引き継いで実行することもできます。 まずは対話で方針を固めてから、実際の修正はCodeモードで適用する──という流れが自然です。
使いどころとしては、設計の初期段階や方針を決めかねているときに相談役として使うのが良さそうです。
AIアシスタントとの違い
JetBrains製IDEには以前から「AIアシスタント」がありますが、Junieとは立ち位置が異なります。
AIアシスタントは、開いているファイルや選択したコードに対して説明や改善案を返してくれる、軽量な補助ツールです。
一方Junieは、プロジェクト全体を理解したうえで動く、より高度なAIエージェントという感じです。
特にAskモードは見た目こそAIアシスタントに似ていますが、回答の質や文脈理解が段違いです。
また、Askモードでの提案はそのままCodeモードに引き継いで、実際のコード変更までつなげることもできます。
使い分けとしては、「軽く聞きたいならAIアシスタント、ちゃんと相談したいならJunie」という感じになりそうです。
Cursorとの比較
Junieの話をすると、どうしてもCursorと比較したくなります。
どちらも“プロジェクト全体を見て動くAI”という意味では近い存在です。
ただ、使ってみた印象としては、Cursorのほうが動作は軽快で即応性が高いです。
一方でJunieは、JetBrains製IDEと深く統合されていて、型情報やテスト実行まで含めた提案が強みという印象でした。
操作感も少し違っていて、Cursorは「サクサク書いてくれる感じ」、Junieは「ちゃんと考えて提案してくれる感じ」。
エディタを中心に手早く進めたい人にはCursor、IDEの補助役として相談しながら進めたい人にはJunieが向いていそうです。
まとめ
Junieは、JetBrainsがCursorなどに対抗するために本気で作ってきたAIツールという印象を持ちました。
特にCodeモードは、プロジェクト全体を理解してテストまで含めてやってくれるので、思っていた以上に“任せられる”場面が多かったです。
一方で、処理の遅さは正直気になりました。
ネット上でも「精度は高いけど遅い」という声が多く見受けられます。
まだ発展途上な部分も感じつつ、今後のアップデート次第では、IDEの標準機能として欠かせない存在になりそうだなと感じました。
引き続きJunieを使いながら、日々のコードの生産性を少しずつ高めていけたらと思います。